会長就任のご挨拶

この度、会員皆様のご推薦をいただきまして、テラメカニックス研究会の第14期会長を務めさせていただくことになりました。任期の3年間、テラメカニックス研究会のために尽力いたしますので、なにとぞ、ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。

思い起こせば、私が防衛大学校に教官として着任した翌年の平成11年、笈田先生が会長のときに伊豆コマツテクノセンターで開催された研究会が初参加でした。比較的こじんまりとした研究会ゆえ、研究発表でも質疑応答が活発なのが印象的で、特に懇親会では既知の先生方同士が和気あいあいと楽しまれている姿は、今思えば、研究会の性質を全て表していたように思います。私にとっての研究会デビューであるにもかかわらず、懇親会を大いに楽しまれていた上司の渡邉先生からなかなか紹介してもらえないこともあり、新参ものゆえ年配の方々?の和の中には入りづらく、若い研究者の方々(当時は私も若かった)と懇親を深めたことを記憶しています。研究会ではコマツ建設機械のデモを見学しましたが、そのあとに運転させてもらった鉱山用巨大ダンプトラックHD785のミニカー(と言っても結構大きい)を記念に買って帰り、今も研究室に大切に飾ってあります。その研究会から一度も欠かすことなく、テラメカニックス研究会に(ワークショップを含めて)参加させていただいております。現会員の中では、おそらく、参加回数が中嶋前会長に次いで多いと思われ、そういうこともあっての会長への就任なのでしょう。

テラメカニックス研究会は、申し上げるまでもなく、農業機械、建設機械、資源機械、特殊車両、惑星探査車両など多岐に渡る専門分野の方々によって構成されています。広い分野の方々が集まるからこそ、研究会では新しい発見があり、日々の研究へのヒントにつながる、有意義なものになっており、昭和55年の創立から平成を経て、令和の現在まで長きにわたって続く研究会になっているものと思われます。会員数はやや減少傾向にありますが、ロボット、自動運転など、新しい分野の研究者の方々も加わり、研究会で大いに活躍いただいております。土の力学的な性質は非線形性を有しており、様々な条件に左右されるなど、扱いにくい分野です。不整地で移動するロボットでは、地形形状のみならず、そのような複雑な力学的な性質を克服する必要があります。現在、広く言葉として使われるようになったAI、機械学習、深層学習など、新たな技術を取り入れることで、テラメカニックスの分野も新たな発展につながる可能性があります。新しい方向性で研究を進める方など、研究会としての魅力を高め、新しい会員の獲得も含めて、ますます活性化していきたいと考えています。

今年は、新型コロナウィルス感染症対策で4月に緊急事態宣言が出されて、多くの方が在宅勤務を経験されたかと思います。多くの学会において学術講演会がリモート開催、WEB会議方式となっています。7月中旬に、幹事会を初めてのWEB会議形式で行い、今年の研究会の開催をどうするか話し合いました。議論の末、他の多くの学会の例にもれず、今年はWEB会議方式で実施することとなりました。昨年の幹事会にてJAXA相模原キャンパスでの実施が決まっていましたが、次年度に繰り越して実施することになります。今年の研究会の開催の詳細は、会告をご覧ください。

最後になりますが、平成29年度から3年間、第13期会長として務められた京都大学の中嶋先生は、国際地盤車両系学会ISTVSの会長を同時に務められ、平成30年には京都でテラメカニックス研究会との共催で、アジア太平洋地区ISTVS会議を開催されました。さぞお忙しかったこととお察しいたします。本当にお疲れさまでした。中嶋先生ならびに事務局としてご尽力いただいた宮坂先生には深く御礼申し上げます。今後は、新しい事務局の江藤助教とともに頑張っていきますので、よろしくお願いいたします。

テラメカニックス研究会会長 山川淳也